2024/11/23
鉄骨階段のデザインをもっと...
現在建築中のS様邸ですが、現在は壁の下地ボード(石膏ボード)を張り付けています。
よく考えてみると現在の建物は木造・鉄骨造・コンクリート造と様々な構造がありますが、壁を貼る場合の下地と言えば、ほとんどがこの石膏ボードですね。
石膏ボードの特徴は防火性が高い、断熱性・遮音性に優れる、加工がしやすい、少々ぶつけても壊れない、そして安いと言うような様々な点があります。
その反面、水に弱い、尖った物が当たると弱い(穴が空く)、ビスや釘がきかないなどのデメリットがありますが、価格と性能を考えた時、他に使える材料が見当たらないので、ほとんどの建物でこの石膏ボードが使われているのだと思います。
しかも、現在は水に強い耐水ボードや調湿効果のある物、強度の高い物など様々なバリエーションもあります。
このあらゆる建物に使われている石膏ボードですが、有名な物としては吉野石膏のタイガーボードがあります。昔はよく虎のぬいぐるみが出てくるテレビCMが流れてましたが、最近は見なくなりましたね。
このタイガーボードは日本初の石膏ボードらしく、初めて製造されたのは、なんと大正11年だそうです。そして現在は石膏ボード市場の80%以上を占めるそうです。
しかしこのほとんどの建物に使用されている石膏ボードですが、結構大変な事がありまして、それは何か言いますと処分するのが大変なのです(*_*)
建物の内壁に合わせて石膏ボードをカットして貼り付けるので、もちろん窓の形にくり抜いたり、長さを合わせてカットしたりと、家一件建てるとかなりの端材が出てきます。この新築現場から端材として出てくる石膏ボードはかなりの割合でリサイクルされているようです。その為、当然石膏ボードは石膏ボードで分別して処分しなければいけませんし、更にもう一つ重要な事がありまして、それは絶対に濡らしてはいけません(濡れているとリサイクルする機械に貼りついて機械が故障してしまうらしいです)そして、処分費が高い(*_*)
そう言えば、以前、ホテルの地下室かなにかに廃材の石膏ボードを投棄していて、その石膏ボードに雨水が侵入し、硫化水素が発生したと言う事件がありましたね。この石膏ボードが水に濡れて硫化水素を発生させると言う現象は、詳しくは分かりませんが分解する時に菌の働きによるものがあるらしく、なかなか珍しい事例だそうです。ただ、リサイクルされずに最終処分場で埋めてしまう場合(解体で出た石膏ボードなどは、なかなかリサイクルが進んでいないそうです)などは、硫化水素を発生する事があるようで、管理型の処分場しか石膏ボードの埋立は出来ないそうです。
長々と色々な事を書いてしまいましたが、多くの人が持つ石膏ボードのイメージと言えば、やはりビスや釘が効かないと言う事ではないでしょうか?壁にネジ式のフックを取り付けたけど、すぐに取れてしまったなどの経験は多くの方がお持ちだと思います。
今は優れた石膏ボード用のアンカーが色々とありますので、多少の重さが掛かるものなら、それらのアンカーで十分対応が出来ます。
しかし、事前に家具などを取り付ける場所は当然として、出来れば将来的に手摺を付ける予定がある場合には、出来れば予め下地を入れておきたいですよね。下地が無いと手すりが付けられないと言う事ではないのですが、下地があった方がスマートに取り付ける事が出来ますからね(^^)/
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