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『地震に強い家作り』 耐震等級、制振装置など

『地震に強い家作り』 耐震等級、制振装置など

2月13日夜遅く、福島県沖を震源地とした震度6強の強い地震が福島と宮城で観測されました。

地震大国である日本ではこれから起こるであろう大地震が日本各地で予想されています。

地元である中国地方では、もっとも懸念されているのは南海トラフ地震でしょうか?

このような地震大国の日本では、地震対策としてどの様な家作りが必要なのでしょうか?

一般的に現在の日本で戸建て住宅を建てようと思うと、以下の3つの構造が主になっていると思います。

①木造 ②鉄骨造 ③コンクリート造

それでは実際にこの3つの構造の中で、どの建物が一番地震に対して強い建物だと思いますか?

その答えは

全て同じです。

何故なら建物の地震に対する強度は、耐震等級によって決められているからです。現代の建物は最低でもこの1から3まである耐震等級の1をクリアしないと建築する事が出来ません。つまり耐震等級と言う同じ基準をクリアーする為に、木造ならこの場所に筋交いを入れて~とか、コンクリート造ならこれだけの鉄筋の量を入れて~とか、構造を考えて作られているので、構造の種類が違っても、耐震等級が同じなら地震に対する強さも同じわけです。単純に『木造よりコンクリート造の建物は地震に強い』と言うのは『羽毛10㎏と鉄10㎏なら、鉄の方が重い』と言ってるのと同じですよね。

同じ基準をクリアしているのだから、構造が違っても地震に対する強度は同じ。当然の事です。もちろん構造の違いによって、それそれ特性は変わって来るのですが・・・

と言う事で回答は全て同じと言う答えになる訳です。

では建物の地震に対しての強さはどう表すのか?と言うと、先ほどのお話に出てきた『耐震等級』で表します。

この耐震等級ですが、先ほども申し上げた通り、現代の建物では最低でもこの耐震等級1をクリアしなければなりません。では、この耐震等級1がどのようなものかと言うと・・・

耐震等級1:数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度=阪神・淡路大震災や2016年4月に発生した熊本地震クラスの揺れ)に対しても倒壊や崩壊しない・数十年に一度発生する地震(震度5程度)は住宅が損傷しない程度

ちなみに耐震等級2と3は

耐震等級2:耐震等級1の、1.25倍の地震に耐えられる性能・耐震強度の水準です。「長期優良住宅」では、耐震等級2以上が認定の条件とされています。また災害時の避難所として指定される学校などの公共施設は、耐震等級2以上の強度を持つことが必須

耐震等級3:等級3は、耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられるだけの性能・耐震強度水準

と言う事になります。

つまり耐震等級1は熊本地震クラスの揺れが来た時に、建物は壊れても仕方ないから倒壊しなければ良いと言う事です。でも実際には熊本地震で耐震等級1の建物がバタバタと倒壊しました。これは震度7クラスの地震が2度来てしまったからです。つまり1度目の地震で建物が損傷して耐力が無くなってしまったところに、もう一度同じ強さが来てしまったので、耐震等級1の建物では耐える事は出来なかったんですね。

 

では耐震等級3の場合はどうなのかと言うと

上の表は熊本地震で一番被害が大きかった益城町で実際に建築学会が調査した結果です。

益城町に建っていた耐震等級3の建物は16棟。その内、地震後に無傷だったのが14棟、小破~軽微が2棟。

これは熊本地震で一番被害が大きかった場所の実際の調査結果です。

この結果を見る限り、耐震等級3がいかに大地震に対し有効なのかが分かると思います。

いずれ来ると分かっている大地震に対して、今現在、最も有効な対策は、まずは耐震等級3の取得だと思います。

また近年は様々な制振装置や免震装置が開発されています。建物自体の揺れを抑える免震装置が最も有効なのは分かるのですが、やはり問題となるのは初期費用とメンテナンス費用。この費用を考えると実際問題として設置する人はかなり限られて来ると思います。

それに対し、制振装置は比較的安価でメンテナンス費用の掛からない物がほとんどです。

だからと言って、制振装置を設置すれば安心と言う事では無く、元々の耐力が低い建物に設置したからと言って本来の性能を発揮するのは限界があります。人間だって元々運動もせず貧弱な体に、ドーピングを打ったからと言って、すごいアスリートになれる訳ではありませんからね。制振装置も元々の高い耐震等級にプラスして、更に安心を買うと言う考え方の方が良いと思います。

もしこれから新築をご検討の方がいらっしゃいましたら、将来の安心の為にも、耐震等級3の取得をご検討下さい。

 

 

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