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家は人がつくる

家を造ろうとしている人は、まず、自分や家族の、今までの生き方やライフスタイルを振り返ってみてください。
そして5年後、10年後はどうなっているだろうか、どんな生き方をしているだろうかと将来を想像してみてください。

そのビジョンを実現するために家づくりがあるのです。
それが新築、増改築、修繕、模様替えのいずれであっても同じことです。

例えば屋根瓦が古いという理由だけでやり替えたあと、5年後に今度は新築に建て替える。そんなケースが往々にしてあるものです。
じっくり考えてみると、建て替えるきっかけは5年前に芽生えていたのかもしれません。

人は行動を起こすとき、一生懸命になるものです。
冷静に考え方をまとめてみることも無駄を無くす上で大切なことだと思います。
商店建築では、社会に果たす役割や時代の流れも考えておくと、設計や設備などに無駄がなくなる場合もあります。

数年前に住宅の増築に関わったときのことです。
いつものようにお客様に質問してデータを集めていきます。
その中で特に大切なのは、「なぜ居間・台所を増改築するのですか?」という質問です。

すると「食事を作るとき不便だから、使いやすくしたい」など、増築の目的や使われ方が“言葉”として返ってきます。
併せてご自分で計画した具体的なプランが出ます。

ところが面白いことに、“言葉の表現”と“絵(プラン)”とが合っていないケースが多いのです。
これはお客様が、言葉や文字で表現することは慣れていても、思いを型や絵に表現していくことに慣れていないからです。

それに気付かずにお客様の具体的な計画だけで建物を作っていくと、本当に求めていた建物と違ったものになります。

増改築でも新築と同様に、ともすれば新築以上に多くのデータを集め、お客様が本当に求めているものを引き出し、自分なりの提案をする・・・
それが私たち専門家に課せられた責任だと考えています。

地球上には五十億人が住み、それぞれに環境も違えば、歴史や文化も違います。
日本の国内でも、また同じ地域にいても、顔が違うように、考え方も違います。

そんな中でお客様は大切な家づくりを誰かに託すわけです。

最終的には会社やメーカーが作るのではなく、「人」です。
画一化したものを選ぶのではなく、より多くの建物を見て、
ご自分に合った「人」を選んでほしいものです。

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