2024/11/23
鉄骨階段のデザインをもっと...
当然基礎工事に入る前に、敷地に対しての測量は済ませておきます。そしてまず初めに行うのが、『遣り方』です。
この遣り方ですが、簡単に言えば、建物の建つ正確な場所と高さを、基礎を作る人に正確に、分かりやすく伝える方法です。
この写真のように、建物の四隅に杭を打って、建物の外壁の中心線と基礎の高さ出す方法もありますし、場合によっては、建物の逃げ墨のみ出す場合もあります。まあ、どのような方法にしろ、正確に建物の建つ場所と高さが出れば何も問題はありません。よく遣り方と言う言葉と共に、水盛りと言う言葉も使います。これは昔は水平を出すのにバケツからホースが伸びたものに、実際に水を入れてその高さを利用して水平を出していたので、水盛りと呼ばれていました。でも、現在はオートレベルやレーザーレベルなのど機械を使って水平をだすので、水盛り缶などは、ほとんど使う事はなくなりました。
また、ここで建物の位置と共に重要な事が、敷地の高さをどこに設定するかと言う事です。よく敷地の高さをGL(ジーエル=グランドライン)と言いますが、このGLの高さをどれくらいに設定するのかと言う話です。前面の道路より敷地を高くした方が良いと言う話をよく聞きますが、確かに水はけの事などを考えると、前面道路より敷地を上げておいた方が当然良いです。では、どれくらい上げれば良いのでしょうか?20㎝?30㎝?
その答えは・・・その土地によって違います。比較的、大雨が降った時に、浸水しやすい土地などは、当然敷地を高く上げておいた方が良いと思います。かと言って、なんでもかんでも上げてしまうと、玄関までのアプローチが急勾配になったり、階段の数が多くなったりします。また、上げた分だけ外構工事で砂を入れたり、土留めを作ったりと費用が掛かってくることもあります。
またGLを設定するのに、BM(ベンチマーク)と言うポイントを決めておきます。これは、高さの基準になるものですので、動かない物、例えば道路の中央にあるマンホールなどをよく基準にします。しかしご存知の方も多いと思いますが、道路は水はけを良くする為に、中央が盛り上がったカマボコ型をしていたり、片方に勾配がついていたりします。その為、単純に道路の中央にあるマンホールをBMにし、そこからの高さだけでGL設定してしまうと、道路の勾配によって、前面道路よりGLが高くなりすぎる事もあります。
また、道路自体が坂になっていたり、角地や前後を道路で挟まれているような土地では、道路に接する2面のうち、どちらを基準にGL設定していくかなどの問題もあるので、一概に前面道路から何センチ上げればOKだと言う事は、出来ないんですよね。つまり、その土地土地によって、最適な高さは変わってきてしまうので、この高さを考えるのも一つの重要なポイントになります。まあ、このあたりの考察は、事前に測量したときに、しっかりと考えておかないといけないと言う事ですね。
この作業が終われば、建物の場所に合わせて、実際に土を掘ったり、砕石を入れたりと言う作業に入って行きます。
その後、砕石を入れて転圧した後、建物が建つ中央部分に鎮め物を埋めておきます。
この鎮め物は、土地の神様を鎮める為に埋めておくものですので、地鎮祭の時にいただいておきます。また、地鎮祭の時にお供えしたお酒は、上棟時に塩と一緒に建物の四隅に撒いたり、乾杯するのに使用します。
その後、砕石をキチンと転圧して押し固め、整地が整うと、防湿シートを敷き捨コンを打ちます。
この捨コンとは基礎の型枠を立てる為や、墨を打つために打つコンクリートです。鉄筋も何も入っていないので、強度などは関係ないのですが、実はちょっと重要です。それはこの捨コンが水平でないと、キチンと基礎の型枠が立たないからです。余りに捨コンを薄くすると、コンクリートに入っている石の大きさの関係で、キチンと水平になりません。こういう見えない所は、費用を抑えるために少しでもコンクリートの量を少なくしようとする所ですが、この辺りはキッチリとやっておきたい所です。
基礎工事編、まだまだ続きます。
アーカイブ