2024/11/23
鉄骨階段のデザインをもっと...
いつもは自宅の建築について書いているのですが、ちょっと横道に逸れて、先日、柳井のW様邸の棟上げがありましたので、棟上げについての、よもやま話を書いてみたいと思います。
通常、木造の在来軸組工法の場合、通常1日、多くても2日で上棟を済ませ、屋根じまいを行います。
でも、ちょっと考えてみて下さい。これってなんだか乱暴な気がしませんか?たった一日で家の柱などを全部建てて、梁や桁を掛けて、小屋組みを作って、屋根の下地まで作ってしまうんですよ?こんな家の作り方をするのは世界中でも珍しいと思います。通常、日本以外では基礎を作って、壁を組み立てた後、屋根を載せると言う順序で家を建てていきます。海外から入ってきた2×4工法なんて、まさしくこの作り方ですし、ログハウスなんかも、このような作り方です。
でも一見乱暴に見える日本の上棟の方法、しかしこの作り方が日本の気候には1番マッチしているんです。
『五風十雨』(ごふうじゅうう)と言う言葉をご存知でしょうか?この言葉は農作物が順調に育ち、豊作が見込める天気の事を表しているそうです。読んで字のごとく、日本では五日に一度風が吹き、十日に一度は雨が降る。でも、実際には、もっと雨は降っているんです。例えば、ここ山口県岩国市で2016年に1日の内、1㎜以上の雨の降った日は、なんと111日!!。3日に一度は雨が降っている計算です。
例えば『春に三日の晴れなし』と言うことわざがあるように、春は天気が不安定で、初夏にはジメジメとした梅雨がやってきて、夏には突然の夕立が降る事があり、秋は長雨や不安定の天気が続く事が多く、冬は太平洋側では雨が少なく乾燥した日が多いですが、日本海側では雨や雪が続くところも多いです。
春雨、霧雨、小ぬか雨、篠突く雨、小夜時雨、日本には同じ雨を表す名詞がたくさんあります。それだけ、雨に恵まれた国なんですよね。
こんな人々に色々な恵みをもたらしてくれる雨ですが、屋根の無い状態で雨が降ると、それは大変です。せっかく乾燥した木材でも、雨に濡れて水分が多くなると、カビが生えたり、腐朽菌が繁殖して木を腐らせてしまったりと多くの問題が起こってしまいます。その為、いち早く屋根じまいを行い、木材が濡れてしまうのを防ぐ日本の工法は、やはり雨の多い日本の気候には一番マッチしている工法と言えるのではないでしょうか?
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