季美の住まい株式会社

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F様邸新築工事(断熱工事)

2017年 12月 26日 (火)

室の木で新築中のF様邸ですが、現在、断熱材を入れています。

この断熱ですが、防湿層が云々とか、気密処理が云々とか色々重要な事があるのですが、あまり言われていないが重要な事があります。

それは『気流止め』です。現在は、剛床工法の建物がほとんどになってきましたので、気にする事が少なくなってきているのですが、やはり重要な事です。

まず『気流止め』とはなんですか?と言う話ですが、簡単に言えば昔の工法では床下の冷たい空気が壁の中を流れて、断熱材の効果が出なかっただけでなく、カビや結露の原因になっていたのですが、その気流を止めるのが『気流止め』になります。

それでは、なんで床下の冷たい空気が壁の中に入り込むの?と言う話ですが、下の図を見てもらうと

まず、太陽光や暖房の熱によって小屋裏空間が暖められて空気が軽くなり、棟換気や矢切から排出されて、小屋裏空間の気圧が低下します。

気圧が低下した小屋裏空間は、外気と同じ気圧に戻そうと軒裏等の換気口などの隙間から空気を取り入れようとします。この時軒裏等の換気口から新鮮な外気を取り入れる事で、自然換気作用による小屋裏の換気が成立します。

しかし、壁と天井との取り合い部分の気密性が確保されたいないと、この取り合い部分からも小屋裏換気作用により、壁の中の空気が小屋裏に取り込まれてしまいます。

この様に気流止めが施工されてないと、2階建ての場合、小屋裏に2階の壁の空気が取り込まれ、2階の壁に1階天井の空気が取り込まれ、1階天井に1階壁の空気が取り込まれ、最後に1階壁に床下の冷たい空気が取り込まれてしまいます。そして最終的には小屋裏まで1階床下の冷たい空気が流れていく事になります。

それでは、なぜ昔の建物は床下の空気が1階の壁の中に流れやすかったのか?と言う事ですが、昔は根太組をして床を貼る事がほとんどでした

そうすると図のように土台と床下地の構造用合板の間に、根太分の隙間が出来ていました。ここに気流止めを設置しない場合は、床下の冷たい空気が先ほど書いた原理により、壁の中に流れ込んでいたわけです。

こうなると、グラスウールやロックウールなどの繊維系の断熱材は効果が無くなるばかりか、カビや結露の温床になってしまいます。その為、根太組をして床を貼り場合は、気流を止める気流止めが必要だったわけです。剛床工法なら隙間が無いので大丈夫なんですけどね。

例えば、冬に毛糸のセーターを着たり、マフラーをすると暖かいですよね。でも、カシミアのセーターやマフラーはもっと温かいですよね。この差って何なんでしょう?それは、繊維の間に溜め込める空気の量なんです。毛糸よりカシミアのセーターの方が繊維が細く、より多くの空気を溜め込めるので、より暖かいのです。今の高性能グラスウールと言うのは、カシミアのように通常のグラスウール繊維よりも細くなっており、より多くの空気を貯めることが出来ます。

しかし、真冬にカシミアのセーター1枚だと、やっぱり寒いですよね。それは、せっかく繊維間に溜め込んだ空気が風などで流されたり、動いたりするからです。その為、セーターの上に今度は風を遮るコートなどが必要になるわけです。これは、昨今人気のダウンジャケットにも言える事です。ダウンジャケットの中のダウンも空気を大量に含んで暖かいのですが、防風機能の無いダウンジャケットをアウターに来ても、寒いですからね。

と言う事で、壁の中のグラスウールなどの繊維系断熱材は、キチンとした気流止めで空気の流れを止めてやらないと、断熱材本来の性能を発揮できないわけです。

しかし、先ほどから溜め込んだ空気が動かないと暖かいと言っているけど、本当にただの空気で暖かいの?と言う疑問も出てくると思います。よく断熱材の能力を熱貫流率(W/m・k)で表しますが、例えば高性能グラスウール16㎏で0.038程度で、高性能たと言われているフェノールフォームを使った断熱材が0.02~0.022程度です。それならば空気の熱貫流率はどれくらいなんだと言われると・・・0.02なんですよね。フェノールフォームと同じくらいです。その為、断熱材の繊維の中に含んだ空気の断熱性能をしっかりと発揮する為、気流止めをしっかりと行う必要があることが分かってもらえると思います(^-^)