季美の住まい株式会社

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四十路工務店営業マン(本厄)の自宅建築日記 その⑱ 『床フローリング工事』

2017年 06月 01日 (木)

前回に引き続き、内部工事について書いていきたいと思います。

 

現在の工事状況としては、床にフローリングを貼っています。

今回、選んだフローリングの樹種はカバです。他にもバーチとか、カバサクラと呼ばれている材料です。特に辺材の色の白い材料をカバ、心材の赤みがかった材料をサクラと呼ぶこともあります。カバノキ科の落葉広葉樹で中国北部、ロシア、北朝鮮、ヨーロッパ、北米などで取れる材料です。硬さとしては、堅くもなく柔らかくもなく、ちょうど良い硬さで、足腰への負担か軽い為、ダンスホールや体育館に使われる事があります。

 

よく無垢のフローリング材は冬でも温かく感じ、肌触りも良いので快適ですよ~とか言う人もいますが、それは樹種によって変わります。確かに木材、ガラス、鉄で冬場に触ったら、木材が一番温かく感じるでしょう。何故なら、材料に空気を多く含んでいるからです。しかし、同じ木材でも例えば杉のフローリングなどは柔らかく、空気を多く含んでいる為、触った感触が温かく、肌触りもすごく良いです。その代り、柔らかいので傷や凹みが出やすいと言う特徴があります。

 

対して、ローズウッドやウォールナットなどのフローリングは、硬くあまり空気を多く含んでいない為、傷が付きにくく凹みも少ないです。しかし、冬場などは柔らかい材料に比べて冷たく感じます。

 

概ね、杉やパイン(松)などの針葉樹は柔らかいものが多く、オークやウォールナットなどの広葉樹は固い樹種が多いです。柔らかいものは温かく踏み心地も柔らかいので疲れにくい。しかし傷や凹みが出来やすい。対して硬いものは耐久性が高く、美観も損ないにくいが、少し冷たく感じることもある。なんだか正反対の特徴がありますね。それと、硬い材料の方が価格は高くなってしまいます。硬い木材というのは、年輪が詰まっているものが多いです。つまり成長するのに時間がかかっていると言う事です。その分、やはり値段が高くなってしまうのでしょう。

 

また同じ樹種でも、育った環境で硬さが変わる事があります。例えば、普通に山に生えている杉と、田んぼのすぐ近くに生えている杉では、どんな大木でも田んぼのすぐ近くに生えている杉は、中がスカスカで柔らかい杉になっています。それは杉が年月をかけてゆっくり育つのではなく、田んぼの栄養を吸い上げて、一気に成長してしまうのが原因です。

 

どの様なフローリング材を選ぶにしろ、その材料の特徴をよく知って、好みの質感及び見た目、自分たちの予算からじっくり選ぶ事が必要になってきますね。

 

ちなみに、この写真はフローリング施工中に写真ですが、フローリングの間に挟まっているのはゴミ・・・ではなく、スペーサーです。無垢材のフローリングは湿気を吸って膨らんだり、縮んだりするので、名刺1枚分程度の隙間を開けて施工します。こうしないと、湿気を吸って膨らんだ時、フローリングどうしがせり上がってしまう事があります。その為に、スペーサーを挟み込んでフローリングを貼っていきます。でも、これって結構手間がかかるんですよね。また、フローリングの割(フローリングをどの長さに切って、どこに張り付けていくかと言う事)を考えず、適当に追い張りしていき、壁際に短いフローリングが入っている場合などもあります。

 

先日、友達の大工さんにこんな話を聞きました。とあるローコストの住宅を手伝いに行った時、そこの職人さんがフロアーを貼っていて、フロアーに隙間が開いている所があったそうです。無垢のフローリングでも加工されたフロアーでも、木製品なので、中にはサネの加工が少し悪く、うまくフローリングどうしが引っ付かない場合があります。でも、大半の場合は、ちょっとカンナで削れば、綺麗に納まるんですけどね。それをやらない。聞いてみたら、それはフロアーのメーカーが悪いのであって、自分たちに責任は無いし、そんなの削る手間代なんて無いと言っていたそうです。たった一枚の隙間ですけど、それ以降のフロアーは全部ずれたまま貼られていくんですけどね。完成後に、その隙間に気づいたお施主様が直してくれと言っても、おそらくメーカーが悪い、大工が悪い、担当が悪いなど言い始めて、絶対に張り替えてくれる事はないと思います。結局、嫌な思いをするのはお施主様になるとおもうんですけどね。

 

例えば、飲食店の場合など、従業員の待遇が悪いとブラック企業だと呼ばれ、すぐにお客さんの足が遠ざかってしまいます。1年間365日、1日三度の食事をしたとすれば、1095回食事をする事になります。ブラック企業だと言われた飲食店は、その1095分の1回の食事でも敬遠されてしまいます。それが住宅の場合は、自分たちがこれから先、何十年と住み続ける建物になります。それなのに例えば職人さんが現場で『手間代も無いし、工期も短いし、やってられない』なんてグチグチ言ってる建物に、これから何十年も住み続けたいと思いますか?

 

もちろん工務店やハウスメーカーの言いなりになるのは良くないし、協力してもらわなければいけない所は、してもらえばいいと思います。しかし、住宅の場合は特に昔からの『三方良し』の経営が必要だと私は思っています。この『三方良し』とは近江商人の言葉で「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」と言う事を表しています。そして住宅の場合は、更に「下請けも良し」「職人さんも良し」など、もう2~3方増えるかもしれません。

 

先ほどの話でもありましたが、職人さんが毎日、現場でグチグチ言っている建物に、これから先何十年と自分達は住みたいと思いますか?フローリングの話は、小さな一点かもしれません。しかし、一事が万事で、このような姿勢は家全体に表れてくると思います。住宅とは多くの人たちにとって、1年間1095分の1回の食事とは違い、自分の人生において一生に一度大きな買い物ですから。