四十路工務店営業マン(本厄)の自宅建築日記 その⑮ 『断熱材のお話』

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四十路工務店営業マン(本厄)の自宅建築日記 その⑮ 『断熱材のお話』

2017年 05月 15日 (月)

前回は、断熱材の種類等のお話しを書きましたので、今回は具体的にどうしてその断熱材を選んだのか、少し書いてみたいと思います。

 

まず、壁の断熱材ですが、こちらの建物では壁内の充填断熱、壁の外の付加断熱共にグラスウールを採用しました。その理由は、今回の建物ではHEAT20のG1レベルの断熱性能をクリアする目標で建てているのですが、この目標をクリアするのに、窓などの開口部を大きく取って達成しようとすると、壁内の充填断熱だけでは不足すると言う事態が起きてしまいます。

そうすると何が必要になってくるかと言うと、壁の外に付加断熱を設置するか、壁厚を厚くして断熱材を入れるか、フェノールフォームなどの高性能断熱材のかなり厚いものを入れるか、いづれかが必要になってきます。そこで施工方法やコストの面を考えると、壁の外側に必要な厚みの付加断熱を加える事にしました。付加断熱を行うのならば、外壁部の耐力壁を筋交いで作るよりも、構造用面材で作った方が工事が行いやすい。と言うか、外断熱や付加断熱を行う場合、ほとんどの建物が外壁部分は構造用面材を使用しています。そうなると、ボード気密工法と言う工法が気になりだします。このボード気密工法とは一般社団法人新住協、室蘭大学の鎌田教授が提唱していますが、簡単に説明すれば普通にグラスウールで断熱施工を行う時は、壁の一番内側に防湿・気密シートを貼って、防湿と気密の施工を行います。それに対し、ボード気密工法では建物の気密は耐力面材で取り、従来の防湿・気密シートは防湿のみの役割を行います。こうする事で、内部の防湿シートが多少ラフな施工であっても通気層が有効にはたらき壁内結露が起こらないと言う事が経験から分かっています。

壁の外に付加断熱を行う為、外壁部分は耐力面材を使用する。耐力面材を使用するなら、ボード気密工法で正しい施工が出来れば、グラスウールでも壁内結露の心配が少ない。それなら、わざわざ高い費用を払って湿気に強い断熱材を選ぶ必要もないと思いませんか?ボード気密工法ならば湿気弱いと言うグラスウールのデメリットをカバーしながら、グラスウールのコストが低い、断熱性能もそこそこ高いと言うメリットを生かせると思い、この建物ではグラスウールを採用しました。もちろん施工はキッチリ行わないと、何も意味が無いですが・・・

 外壁の付加断熱の様子です。

 

続いて、屋根の断熱材はネオマフォームを言う断熱材を使用しました。

屋根部分の断熱方法は2種類あります。それは屋根断熱と天井断熱です。一般的には天井断熱が多いと思います。

天井断熱はその名のごとく、天井のすぐ上に断熱材を敷いたり、吹き込んだりします。この天井断熱の方が、天井上の懐が深く、厚い断熱材を施工できる。また小屋裏の空間がありますので、断熱材の効果が出やすいなどのメリットもあります。しかし、こちらの建物では、屋根断熱を選びました。それは、屋根自体をパネル構造にしたのと、屋根部分は小屋組みなどを表しにしたデザインを採用したからです。

しかし屋根断熱の場合、根太や登り梁の厚みしか断熱材を入れられないと言うデメリットがあります。そこで、現在一般的な断熱材では最高の性能であるフェノールフォームを使い、断熱性能が高く、厚みを薄く出来ると言うメリットを活かせられたと考えています。

 

 

最後に基礎断熱ですが、こちらの建物では一般的な床下断熱ではなく、基礎断熱を採用しました。その理由は、澄家と言う床下空間を利用する1次基換気システムを採用した事、そして床下エアコンを採用してみたいと言う考えから基礎断熱を採用しました。

基礎断熱にも基礎外断熱と基礎内断熱がありますが、基礎内断熱を採用しています。性能的には基礎外断熱の方がすぐれているのですが、やはり瀬戸内の温暖な地域では、シロアリの被害が懸念されます。断熱材にも防蟻性能のある断熱材を使用しておりますが、それでも万が一の可能性を考え、基礎内断熱を採用しました。

 

以上のような理由から、こちらの建物では上記の断熱材を採用しました。やはり断熱材も適材適所を考えて使用する事と、もう一つ大事なのは、キチンとした施工を行う事。これらが非常に重要なポイントとなると思います。