季美の住まい株式会社

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APWフォーラム 2020年の義務化とZEHに向けた家づくり ②

2016年 06月 18日 (土)

前回、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)とは、どのような建物なのかを説明させていただきましたが、今回はどのような仕様の建物を作れば、ZEH仕様になるのかを少しお話しさせていただければと思います。前回のお話しでZEHにするには外被平均熱貫流率(UA値)0.6以上(山口県、広島県等の省エネルギーの地域区分、5,6地域)と1次消費エネルギー以上の再生可能エネルギー(太陽光発電等)の利用が必要と書きました。このUA値0.6以上を超えるにはどうすればよいのか?と言うことになるのですが、簡単に説明すれば現在の長期優良住宅の基準である断熱等性能等級4を超える断熱性能を持つ家なら、概ねサッシの性能を向上させる事で、クリアー出来る値です。

このように書くと、本当にサッシの性能を上げるだけで、そんなにも断熱性能が上がるの?とお思いの方もいらっしゃると思います。しかし、平成11年省エネルギー基準の建物で、サッシはアルミ(複層ガラス)、冬季の外気温0.5℃(日平均外気温の最低日、2月24日5~6時、東京)、室温20℃と仮定したとき、屋根から逃げる熱の割合は5%、壁からは19%、床からは9%、換気による熱の流出が15パーセント、そして窓からは・・・・なんと52%の熱が流出してしまいます。

逆に夏季で外気温33.4℃(日平均外気温の最大日、8月10日14~15時、東京)と仮定した場合、なんと74%の割合でサッシから熱が流入してきます。

よくサッシメーカーのテレビCMなどで、「窓をリフォームして快適な生活を送りましょう」と言う内容のCMを見ることがありますが、あながち嘘ではありませんね。

冬夏

 

現在、断熱性能の優れた樹脂サッシが、各メーカーから販売されています。しかし、まだまだ日本の樹脂サッシは高額です(最近少しづつ値段が下がってきましたが・・・)普通に考えて、樹脂とアルミの材料費では、明らかにアルミの方が材料費が高いのに、なんでサッシになると樹脂製のサッシの方が高いの?と言う、素朴な疑問が浮かんでくると思います。

それは昔、金属製のサッシが登場してきたとき、材質としてはスチール(鉄)のサッシでした。しかしこのスチールサッシ、ものの数年で錆び付いて動かなくなり、まるでFIX窓の様に開け閉めが出来なくなっていました。そこで登場したのがアルミサッシ。アルミサッシなら30年たっても問題なく開閉が出来るという事で、サッシメーカー各社はアルミサッシを製造する為に莫大な投資を行って、アルミサッシを大量生産してきました。しかし近年、断熱性能や省エネ性能が盛んに注目されるようになり、アルミに対し1000倍も熱を通しにくい樹脂サッシが注目されるようになってきました。しかしサッシメーカーとしては、今まで散々アルミサッシの生産に投資しているのに、今更樹脂に変更するのは、非常に難しいですよね。これは今までサッシの組立や加工などを行っていた、町のサッシ屋さんや、ガラス屋さんにも同様の事が言えます。その為、アルミサッシよりも樹脂サッシの価格を高く設定して販売していました。その為、海外に比べると日本の樹脂サッシは、遥かに高い金額となっています。

しかし、これだけ断熱性能、省エネ性能、ゼロエネルギー住宅に注目が集まっている時代ですので、各サッシメーカーも樹脂サッシを製造せざるを得ず、現在徐々に樹脂サッシの価格の下がってきています。中には、もうアルミサッシの製造は中止して、アルミと樹脂を複合させたハイブリット窓か樹脂サッシしか作らず、ハイブリット窓は従来のアルミサッシを同額で販売します、と言うメーカーも現れています。

 

先ほどのZEHの話に戻りますが、このZEHの基準、UA値0.6をクリアする為に、断熱等の仕様を考え、一棟一棟、外被性能計算をして、UA値を求めて行きます。その為、このUA値の計算にはサッシの大きさ、サッシの断熱性能も大きく影響してきます。現在、一棟の家を設計するのに、サッシ関係はA社のBシリーズで行こう、と言うような形で決めているのがほとんどだと思いますが、これからは家一棟に対し、使用する場所や大きさ、サッシの形状(引違、滑り出し、FIXなど)、または予算によって、個別に選択していく時代になってくると思います。